貘の耳たぶ

息子の絵本を探しに書店に入ったら気になる帯に目が止まり

なんとなく、その本を買って帰りました

本なんて読む時間があったら

寝る時間くれ。

と、愚痴りたくなるほど

産後は寝不足が続きましたが

最近ようやく、夜泣きから解放され

自分の時間がもてる余裕がでてきました

これまで唯一、手にする本は

育児関連の本ばかりだったので

小説を読むのは、ほんと出産前以来です

貘の耳たぶ著者芦沢央さん

新生児取り違えのお話は

そして父になるを思い出しましたが

ここでは、出産したばかりの母親が自ら

我が子と隣の赤ちゃんを取り替えるという、驚愕のシーンから始まります

あぁ。

なんていう本を選んでしまったんだろう

息子を寝かしつけたあと読む本にしては

重い、重すぎる。。

後半に進むにつれて、心臓がバクバクし

泣けて泣けてどうしようもないんだけど

ページをめくる指が止まりませんでした

ネタバレになるのであまり詳しくは言えませんが

取り替えられたのが息子だったらと思うと

ぎゅうぅぅうっと胸が締め付けられて

そのやり切れなさを

ぎゅうぅぅうっと息子を抱きしめることで

安堵に変えました

生みの親と育ての親

愛情ってどこから来るのだろう

一緒に過ごした時間に比例するのか

それとも血に宿るのか

作品を読み進めながら考えましたが

答えは見つからないままでした

ただ言えることは

産んだから母親になれるのではなく

もう二度と戻ってはこない、このかけがえのない時間を積み重ねながら

息子に育てられてわたしは母親にしてもらうんですよね

読み終えたあと

我が子への想いがより一層溢れる一冊です